人が空間を知覚し、空間に影響を受け、空間を変容させ、空間に住まう。
自然と人為が交錯する人と空間の相互作用の中に、私もまた、巻き込まれてある。
その渦中に、写真というひとつの技術を介入させる。

私たちの視覚に似ていながら、視覚とは異なる理論に基づいて生み出された、写真術による像。
被写体の存在を忘れさせておかないが、被写体へと辿り着くことのない像。
私からは到達できない他所があることを、写真は静かに告げている。
私は写真に、他者を見ている。

壁の向こうからきれぎれにもれ聞こえてくる声に耳をすますように、写真を覗き込む。
他者と私のあいだが、新たな空間として立ち上がる。
この空間に触れるため、私は写真に関わっている。

1981 東京生まれ
2007 一橋大学言語社会研究科修士課程 修了
2010〜2011 写真展示スペースBroiler Space(東京・桜上水)を小松浩子と共に運営
現在 東京在住一橋大学言語社会研究科博士課程在学中
個展
2005 「DAEDALUS」 Musee F
2007 「Absolute Reasons」 表参道画
2009 「AX」 Musee F
2010 「OGU MAG企画展White Frame vol.3 Chikako Enomoto “Reflections”」 OGU MAG
2011 「bypass」 Toki Art Space「OGU MAG企画展White Frame vol.6 Chikako Enomoto “Lightning without Thunder”」 OGU MAG
グループ展
2010-2011 「Monthly Exhibition #01-10」 Broiler Space*榎本千賀子、小松浩子による月一回、全10回の連続展
2011 「新潟発・日本の発見 映像と記憶のアルケオロジー 1865-2011」Maison du Japon パリ
展覧会企画
2010 「今成家写真 写真との出会い: 江戸末期から明治 新潟にて」 Broiler Space協賛:ピクトリコ 協力:新潟大学
出版物
2004 「太陽とガジュマルの間」『月光』第23号 南原企画
2005 「紙とインク 写真と文字」『Ren』一橋大学言語社会研究科 紀要別冊 創刊準備冊子 一橋大学言語社会研究科
2007 「千切れたいま、ここ」『Ren』一橋大学言語社会研究科 紀要別冊第1号一橋大学言語社会研究科
2008 「Photographers File」『Photo GRAPHICA』vol.10 MdN「Young Photographers File_2008_01」『Photo GRAPHICA』vol.11 MdN
2011 「見世物の記録 ダイアン・アーバスの「一種の人類学」と親密性」『一橋大学言語社会研究科紀要 言語社会』 No.6 一橋大学言語社会研究科
「六日町の今成家写真 写真に響く歓声を聞く」『みなみうおぬま』 第9号
南魚沼市教育委員会

HP:Chikako Enomoto Web DAEDALUS https://sites.google.com/site/chikakoenomoto/

DIVISION-2榎本 千賀子|Chikako Enomoto

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