リフレクション 写真展 / director 湊雅博

村越としや、山下隆博。普段あまり他の写真家の作品を見ないので、今展の打ち合わせにおいて両氏の作風にはじめて触れた。展示前のミーティングの感想をおおざっぱに。

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村越氏 渡辺兼人を彷彿とさせる、スタンダードな自己愛を基調とした、落ち着いた視線。だが渡辺ほどの身震いはない。でもこれはこれで静か。悪くない。しかし福島という物語がなかったらどうなのか、という疑問は残る。ほんの兆しでいい、作品を成立させる一歩手前、一歩先に破調があればと思う。それは当人ももちろん感じている点だろう。自分の身体性にうっすら飽きつつ、視線を飛ばしてほしい。

それでも彼が一貫して発表し、本を作り、自分のスタイルを確立せんとする姿勢には打たれるものがあった。私はそういった実際的な動きをどこか軽んじ、疎んじ、良きにつけ悪しきにつけ自分の求める質を追ってきた。でも、そればかりじゃ成り立っていかないな、と気づかせてくれたのが、とてもありがたかった。

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山下氏 軽妙な人柄とは裏腹に、至ってまじめな作品群。みんな好きになるんじゃないかな。泣きの塩梅が少々気になるが、彼の写真にはいい性質の軽みがある。それは村越氏の、現実的な下へ向かう重力、もしくは写真の表面へ向かう重力とはまた異質の、やさしい重力とでも言おうか。ハートは熱く、でも頭は冷静に、酒で少々煮えているけど。

自分が今いる場所がぜんぶドキュメンタリーなんだ、という開き直りをもっと受け入れたら、もっとずっと面白い作家になる気がする。社会的な言説も、個人の感情も全部俺の写真で翻訳してみせる、くらいの。それくらい思わないと釣り合わないほど優しい。その優しさを武器にしてほしい。

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またなにか思ったら書きます。 森下

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