リフレクション 写真展 / director 湊雅博

「ヴァナキュラー(土地特有の)」という言葉の面白さは、それがもともと言語学の用語に由来する所にあります。現地の人々が話す言葉や共通語のバリエーションを意味します。ロサンジャルスを車で走っていると、建物が自分に語りかけてくるような気がします。人が施した窓辺の飾り付けから、建物の外観(もちろん、人々は貸アパートに住んでいるので建物や外観を変えることはできませんが)など、特定の場所に独特な「ヴァナキュラー」な雰囲気があるのです。新しい都市を訪れると、建物の形状から語りかけられる言語が、不協和音のように押し寄せてきます。建築物を観る時やその写真を撮る時に、それは常に興味を刺激することのひとつでした。なぜならそれは言語学と関連しているし、人々が抱く願望や文化が無意識的に自身についてどのように考えているかとも関連しているからです。広い意味でこれは風景の中に見られるとても素晴らしいボキャブラリーなのです。ですが建築とは(所謂、造られた環境とは)、風景にも声を与えるという意味でとても重要です。よっぽどの荒野にでも行かない限り(私はほとんど行きませんが)、風景とは常に人によって造られています。その風景には音質や音調が現れるのです。これはある有名な逸話で、とある音楽家がエンパイアステートビルディングの展望台からニューヨークの音を聴いて、「Eシャープ(E#)だ」と言ったという話があります。どんな風景にも、そこに特別な音があるのです。

私たちの風景からはどんな音が聞こえるのか. 不協和音かも知れん..  横澤

BLOG

Back to top

© リフレクション展 | Director:湊雅博 | 広報・WEB制作協力:芸力/FootprintWall